訪問看護:ターミナル受け入れ時の病院との連携の重要性

秀峰会の訪問看護リハビリステーション青葉の大地で管理者をしておりますアオキと申します。ブログを書くのはなんせ初めての事なのでやや緊張しております。

ブログ担当者のヨシノさんからも「ただの日記じゃダメだ」とハードルを上げられたので何を発信すれば良いのか迷っております。

でも、訪問看護の仕事の楽しさやジレンマなど色んな事をぶっちゃけて、皆様に訪問看護の事を知って頂いたり、同じ仕事をする仲間に共感してもらえたり、新しく訪問看護にチャレンジしてくれる仲間を増やしたいと思っております。

初回はターミナル受け入れ時の病院との連携についての事例をご紹介したいと思います。

事例:「最期は自宅で」と強く希望されたターミナル期のA様

訪問看護:ターミナル受け入れ時の病院との連携の重要性
ある週の金曜日に大学病院の相談室看護師より急遽ターミナル期(終末期)の患者さんの新規のご依頼がありました。

当初、翌週の火曜日の午前中に退院、午後に訪問診療(往診)という段取りになっていました。しかし、夕方になって月曜日に退院したいというご本人の強いご希望があると再度相談がありました。

新規ご依頼のA様

  • 余命1週間ほど(医療保険)
  • 皮下注射で麻薬を持続的に注入することでやっと疼痛コントロールが可能になったという状態(PCAポンプを利用)
  • 在宅酸素の使用が必要(特別管理加算)
  • ご本人は一刻も早く自宅に帰りたいと希望
  • ご家族は自宅に帰ることに不安があるご様子

ご本人の希望通り、月曜日の退院で、当ステーションで退院日より訪問することに決定しました。

ただし、課題もありました。

課題は退院から初回訪問診療(往診)までのタイムラグ

訪問看護:ターミナル受け入れ時の病院との連携の重要性
退院が早まった関係で、初回の訪問診療に1日の時差ができてしまいました。

初回の訪問診療を1日早めることは不可能で、さらに初回の訪問診療に入るまでは、訪問診療医は緊急対応ができません。

退院してから初回の訪問診療までに急変やトラブルがあった際の対応をきちんと決めていないとご本人やご家族の不本意な結果になりかねません。

救急車を呼ぶとご本人にとって不本意な延命治療(心臓マッサージなど)をされたり、他の病院へ搬送される可能性もありますし、訪問診療医が入る前に自宅で息を引き取られることも考えられました。

本来は退院前カンファレンスで顔を合わせながらご家族や主治医、病棟看護師、MSW(医療ソーシャルワーカー)や退院調整看護師、ケアマネジャーなどと話を詰めて退院になる流れですが、今回は急な退院という事でその場が設けられませんでした。

病院としっかり連携することでご自宅に帰れる体制づくりで課題解決

訪問看護:ターミナル受け入れ時の病院との連携の重要性
A様を受け入れるにあたって、病棟看護師や主治医と直接電話でお話をさせていただき、下記のような取り決めをしました。

  • 最終的な麻薬の流量、処方をどのように行うか
  • 急変時の対応をどうするか
  • ご家族への説明をどのようにして頂くか

訪問診療が入るまでの緊急時は救急搬送で大学病院で受け入れてくれる事も確認できました。

主治医や病棟看護師との会話の端々から、ご本人の望み通りどうにかして自宅に帰してあげたい、今しか帰れないという気持ちが伝わってきました。

さらに訪問診療が入る前に心肺停止になりそうなとき、第1選択として救急搬送することが適切かどうかという検討も必要です。

バタバタと救急搬送するのではなく、ご家族にはゆっくりと見届けて頂く方が良いのではと考えたからです。在宅でも病院でもどちらでも最期が迎えられるようにしておきたいと考えました。

訪問診療が入るまでの間にご自宅で息を引き取られた場合、エンゼルケアのこともあるので、大学病院の主治医が死亡診断書交付の対応をして頂けるのか。それも月曜日の朝に確認しようと思いました。

ご本人やご家族にとって良い最期が迎えられるように職員みんなで頑張ります!という体制が整い、月曜日にお会いするのが楽しみでした。

しかし、月曜日に病棟に電話をしたところ、土曜日にお亡くなりになったことが主治医より告げられました。

まだ課題も多い在宅での看取り

A様の件は残念な気持ちでいっぱいでした。

もともと土日に退院という選択肢は上がっていませんでしたが、受け皿であるこちら側(訪問診療、訪問看護事業所など)がもし「土日でもいいですよ」と伝えることが出来たなら帰れたのだろうか・・・と考えてしまいます。

当ステーションでは現状では土日は緊急対応のみ行っており、訪問診療も同様のことが多いです。(実際今回訪問診療に入るはずだったクリニックでも同様の体制です)。

たとえ訪問看護だけが土日に新規の受け入れが出来ても十分ではないのです。

在宅でのお看取りは訪問看護師だけでは担いきれないことが事実であり、訪問診療医の存在が不可欠なのです。訪問診療医の存在に日頃助けられていることにも改めて気付きました。

今回、お会いすることが出来なかったご利用者様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

まとめ:病院との連携を密に行うということはご本人やご家族の思いをしっかりと引継ぐこと

どのケースでもどうしたらご本人やご家族にとって良い最期が迎えられるんだろう、と最善の方法を考えています。

併せてターミナルに限らず緊急時の対応を決めておくことは、ご利用者やご家族の生活や意向に添うという目的もありますが、こちら側が一貫した対応を出来るように準備しておくという事にもなるのです。

当ステーションの緊急対応の体制

訪問看護:ターミナル受け入れ時の病院との連携の重要性

当法人ではiPadでご利用者の情報を一元管理しています。


当ステーション「訪問看護リハビリステーション青葉の大地」は24時間緊急対応を行うステーションです。

緊急時の対応は現在6人の看護師で輪番制で担当しています。自分の担当ではないご利用者の対応も行わなければなりません。

そのため、日頃から担当が中心に緊急時の対応をあらかじめサービス担当者会議などで決めておき、他の看護師にもカンファレンスで周知しiPadで記録にも残しておきます。

緊急の電話を受けた時には、必要な情報をiPadで確認できるので、看護師の誰が対応しても同じ対応が出来るよう体制があります。

緊急時も職員が自信を持って対応できるように

管理者の立場としては、緊急時の対応を万全にしておくことは職員の働く環境を整えることになるとも考えています。

不本意な事態になってほしくないというご利用者に対する思いと、対応した職員が自分を責めることがないようにしておきたいのです。

ご利用者と職員の双方が安心して過ごせるように整えておくことはとても大事なことです・・・。もっと言えば、訪問看護師だけでなくケアマネジャー、ホームヘルパーさんやデイサービス職員などご利用者に関わる全ての人が共通認識していないとダメなんです。そして緊急時の対応についてリーダシップを取らないといけないのが看護師なんですよね・・・。

今後もご利用者にとっての最善を考え、病院や地域と密に連携をとることを心がけていきたいと思います。

週末から今日の出来事をまとめてみましたが、伝えることはやっぱり難しいですね・・・。もっと上手く伝えられるようになりたいので、まずは言葉にする事を繰り返していきたいと思います・・・。やっぱりただの日記になってしまいました・・・。

秀峰会の訪問看護ステーションでは正看護師募集中です!

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横浜市 訪問看護師(正看護師)募集中

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